口述トレ > 二次試験 対策ガイド

2026年度版/11月29日の本番に向けて

全国通訳案内士 二次試験(口述試験)対策 完全ガイド

筆記試験に合格したら、次は二次試験(口述試験)です。知識はあっても、英語で「その場で話す」練習をしていないと、本番で言葉が出てきません。

このページでは、公式の施行要領・ガイドラインをもとに、試験の形式、評価項目、パート別の対策、本番までの練習スケジュールをまとめました。受験した経験から気づいたことも書き添えています。

二次試験(口述試験)の要点

試験日
2026年11月29日(日)
試験時間
1人あたり10分程度
内容
①外国語訳と、その内容に関連した質疑
②プレゼンテーション(3つのテーマから1つを選び、説明と質疑)
評価項目
プレゼンテーション/コミュニケーション/文法及び語彙/発音及び発声/ホスピタリティ
合格基準
原則7割
結果通知
2027年1月22日(金)予定

1. 二次試験(口述試験)とは

全国通訳案内士試験は、筆記(一次)と口述(二次)の2段階です。二次試験は、筆記試験に合格した人(筆記試験を免除される人を含む)が受験できます。

観光庁のガイドラインでは、口述試験の目的を、外国語の力と、日本の地理・歴史・一般常識・通訳案内の実務の知識を使って、通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図る実践的な能力を判定すること、としています。

つまり、英語の面接試験というより、「ガイドの仕事を、試験官を相手に疑似的にやってみる試験」です。正しい英文を話すことと同じくらい、相手に伝わるか、相手を気づかえるかが見られます。

2026年度の日程

項目日程・内容
口述試験2026年11月29日(日)
受験票11月上旬ごろにマイページで公開(郵送なし)。試験会場と時間は受験票で知らされ、変更はできません
受験地英語・中国語・韓国語:東京近郊、大阪近郊、福岡市/それ以外の言語:東京近郊のみ
結果通知2027年1月22日(金)予定。官報とマイページで発表

2. 試験の形式と当日の流れ

ガイドラインでは、口述試験は次の2題で、試験時間は10分程度とされています。

問題内容(ガイドラインより)
外国語訳と質疑試験委員が読み上げる日本語を外国語に訳し、その問題文に関連した質疑を行う。読み上げられる内容はメモを取ってよい。全国通訳案内士としての適切な受け答えが求められる
プレゼンテーション提示される3つのテーマから1つを選び、外国語で説明する。そのあと、そのテーマについて試験委員と質疑応答を行う

受験者のあいだでは、外国語訳のあとの質疑を「シチュエーション問題」と呼び、「プレゼン」「通訳」「シチュエーション」の3パートとして準備するのが一般的です。このガイドでも、この3つに分けて対策を説明します。

当日の流れ(例)

  1. 入室・あいさつノックして入室し、簡単なあいさつや本人確認のやり取りをします。試験官は2名(日本人1名・外国人1名)であることが多いです。
  2. プレゼンテーション3つのテーマが書かれたカードを見て1つを選び、短い準備時間(30秒ほど)のあと、2分程度話します。終わると、その内容について質問されます。
  3. 外国語訳(通訳)日本語の文章(30秒ほどの長さ)が読み上げられるので、メモを取り、英語に訳します。
  4. 質疑(シチュエーション)通訳した内容に関連した場面で、外国人の試験官が観光客の役になり、困りごとや要望を伝えてきます。ガイドとして対応します。
  5. 退室お礼を伝えて退室します。

順番や時間は年によって変わることがあります。上の流れはあくまで例です。どの順番で来ても対応できるように、3パートとも準備しておきましょう。

受験者の体験メモ(筆者の場合)

  • 会場は大学のキャンパス。キャンパス内が広いので、時間に余裕を持って行動を。
  • 受付のあとは、大きなカフェテリアのような待合室で、グループごとに待機。
  • 試験時間は6〜8分ほどに感じたが、体感はもっと長かった。
  • 本番のテーマは「摂関政治」「落語」「左うちわ」。準備していたのは落語だけで、知らないテーマでも話せる「型」が大事だと実感。

3. 5つの評価項目と合格基準

ガイドラインでは、次の評価項目について評価基準を決め、合格基準点(原則として7割)に達しているかで合否を判定するとしています。

評価項目見られていること(解説)
プレゼンテーション話の組み立てが分かりやすいか。最初に何の話かが伝わり、理由や具体例で説明できているか
コミュニケーション臨機応変な対応力、会話を続けようとする意欲。質問に詰まっても、会話を止めないこと
文法及び語彙正確で適切な言葉を選べているか。難しい単語より、正しく伝わる平易な表現が大切
発音及び発声聞き取りやすい声の大きさ・速さ・明瞭さ。ネイティブのような発音である必要はありません
ホスピタリティ全国通訳案内士としての適切な受け答え。相手の立場に立ち、困っている人を助けようとする姿勢

5つのうち、コミュニケーションとホスピタリティは、英語力とは別の力です。「黙らない」「相手の困りごとに寄り添う」「できないことには代わりの案を出す」といった姿勢は、練習で身につけられます。

本番と同じ3つの形式で練習して、AIがその場で採点メール登録だけ・5回分無料

無料で今すぐ練習する ›

4. プレゼンテーションの対策

プレゼンテーションでは、3つのテーマから1つを選んで話します。テーマは、観光地、歴史、文化、そして観光にかかわる社会の動きなど、外国人観光客が関心を持つ日本の事柄が中心です(ガイドラインでは、外国人観光客が多く訪れる観光資源に関連する地理・歴史・産業・経済・政治・文化から出題するとされています)。

型を決めておく

短い準備時間で一から話を組み立てるのは大変です。話す順番を、あらかじめ決めておきましょう。

  1. 結論:何について、何を伝えたいか
  2. 理由・説明:それはどういうものか、なぜ大切か
  3. 具体例:場所、体験、数字など
  4. まとめ:観光客へのおすすめや一言

Today, I would like to talk about onsen, or Japanese hot springs. ... For example, ... To sum up, I recommend ...

話す量の目安

2分間で話せる英語は、およそ250〜300語です。原稿を丸暗記するより、テーマごとに「話のネタ」を3つずつ用意し、どのテーマでも型に当てはめて話せるようにしておくのが効率的です。

質疑応答にも備える

プレゼンのあとには、そのテーマについて質問されます。自分の話に出した言葉(たとえば「わびさび」「おもてなし」)について、「それはどういう意味ですか?」と聞かれても説明できるかを確かめておきましょう。

5. 外国語訳(通訳)の対策

読み上げられる日本語を聞き、英語に訳します。メモを取ってよいので、メモの取り方と訳し方の両方を練習します。

ポイント1

全部を訳そうとしない。一語一語を正確に訳すより、「何が・どこで・なぜ」という主旨を落とさずに伝えることが大切です。

ポイント2

難しい言葉は言い換える。英単語が思い出せないときは、知っている言葉で説明します。たとえば「精進料理」が出てこなければ、vegetarian food eaten by Buddhist monks のように言い換えて構いません。

ポイント3

メモは記号で。数字・固有名詞・つなぎの言葉(しかし、なぜなら)だけを書き留め、文章で書こうとしないのがコツです。

6. 質疑(シチュエーション対応)の対策

外国語訳のあとの質疑では、試験官が観光客の役になって、困りごとや要望を伝えてきます。ガイドラインにある「全国通訳案内士としての適切な受け答え」が試される場面です。

「できません」で終わらない

観光客の要望にそのまま応えられない場面が出されることがあります。そんなときも、断るだけで終わらず、代わりの案を2つほど出して、相手に選んでもらうのが基本です。

I'm afraid that's not possible, but how about ...? Or we could ... Which would you prefer?

相手の気持ちを受け止める一言を

いきなり解決策を話すより、I understand how you feel. のように相手の気持ちを受け止める一言があると、ホスピタリティが伝わります。

7. よくある失敗

8. 11月29日までの練習スケジュール

筆記試験の結果通知(9月25日)から本番までは約9週間です。今からでも、次のように段階を踏めば間に合います。

  1. 〜10月中旬:型を作るプレゼンの型を決め、よく出る分野(観光地・歴史・文化・食・社会の動き)ごとに話のネタを用意します。通訳はメモの取り方を練習します。
  2. 10月下旬〜11月上旬:量をこなす毎日、プレゼン・通訳・シチュエーションを1問ずつでも声に出して練習します。録音して聞き返すと、口ぐせや沈黙に気づけます。
  3. 11月中旬:本番形式で通す3パートを10分で続けて練習し、時間配分と切り替えに慣れます。受験票(11月上旬に公開)で会場と時間も確認しましょう。
  4. 11月下旬:仕上げ新しいことは増やさず、よく使う表現と当日の流れを確認します。体調を整えることも大切です。

毎日の「声に出す練習」に、口述トレをプレゼン・通訳・シチュエーションを、AIがその場で採点します

無料で今すぐ練習する ›

9. 当日の持ち物と注意点

試験の公平のため、受験が終わった人は、まだ受けていない人とは別の部屋で待機し、通信機器を預けるなどの措置がとられます。当日の注意事項は受験票に書かれるので、必ず確認してください。

直前に見返す資料:当日の流れ・持ち物・よく使う英語表現をまとめた直前対策チェックシート(PDF)を無料で公開しています。

10. よくある質問

口述試験の過去問は公開されていますか?

JNTO(日本政府観光局)のホームページで公開されているのは筆記試験の問題で、口述試験の問題文は公開されていません(2026年10月時点)。受験者が再現した情報をもとに、出題の傾向をつかんで準備するのが一般的です。

発音に自信がありません。不利になりますか?

「発音及び発声」は評価項目の1つですが、求められているのは聞き取りやすさです。はっきり、ゆっくり、十分な声の大きさで話すことを意識しましょう。

質問が聞き取れなかったら、聞き返してもいいですか?

はい。黙ってしまうより、聞き返して会話を続けるほうがよいと考えます。評価項目の「コミュニケーション」には、会話を続けようとする意欲も含まれています。

独学でも合格できますか?

できます。筆者も、模擬面接は2回だけで、準備のほとんどは独学でした。大切なのは、知識を覚えることより、声に出して話す練習の回数です。一人で練習するときは、録音して聞き返したり、時間を計ったりして、本番に近い形で練習しましょう。

関連ページ

参考資料(試験の形式・日程・評価項目は、次の公式資料によります)

試験の詳細は変わることがあります。最新の情報は、必ず公式の資料と受験票でご確認ください。